中期経営計画

中期経営計画の最終年度を迎え、その成果を検証するとともに、次なる方針を明確にしていきます。代表取締役社長 小野敏彦

国内の半導体商社の市場状況と、イノテックグループの目指す方向性についてお聞かせください。

業界再編の動きが続く中、メーカー機能の強化により生き残りを図ります。

半導体市場は踊り場を迎えているといわれますが、中国をはじめとする新興国では生産・需要の拡大が続いており、中長期的には今後も大きく成長すると見ています。すでに市場のプレーヤーは日本から中国・韓国に移っていますが、当社グループにとっては提携先が変わるだけで、ニーズがあるところに必要なものを送り届けるということに変わりはありません。

ただ、従来の商社機能だけでは今後の成長は難しいといえます。国内の半導体商社は、同様の危機感から再編に向け動いており、その方向性は「M&Aによる規模の追求」、「ファウンドリー(受託製造)機能の強化」、「メーカー機能の強化」の3つに分かれます。

その中で、当社グループはメーカーとしてソフトウェア、ハードウェア、そして新規分野を軸に成長を目指し、2014年度にスタートした前中期経営計画では事業ポートフォリオの転換をテーマに掲げ、事業構造改革に取り組んできました。

前中期経営計画(FY2014~2018)の振り返りについてお聞かせください。

事業構造改革の実行により、着実に高収益型ビジネスへの転換が進みました。

事業ポートフォリオの転換は、事業構造改革の実行により達成できたと考えています。一方、数値目標については売上、利益とも未達となり、ROEも短期目標の5%は達成したものの中期目標である8%には届きませんでした。未達の要因は、M&Aによる事業拡大ができなかったことや新規ビジネスの立ち上がりの遅れなどによるものです。しかしながら、事業構造改革を実施した結果、ROEは計画初年度の2.3%から6.6%へと大幅に改善し、高収益型ビジネスへの転換は着実に進んでいます。

新しい中期経営計画(FY2019~2023)について、お聞かせください。

5つの戦略により、各事業の利益成長とともに規模的な拡大を追求します。

新中期経営計画では5つの戦略として「テストソリューション事業の成長」「自社製品売上の増加/メーカー機能の強化」「顧客ベースの拡大/海外市場開拓」「新規分野への積極的な取組み」「資本効率の向上」を掲げ、前中期経営計画で実現した高収益型ビジネスの一層の強化と、規模の拡大を目指します。

当社やSTAr のテストシステムはお客様の品質、コストに対するニーズに応えていくことで、ガイオ・テクノロジーの検証ツールなどのソフトウェアに関しては独創的な技術による自社製品を開発することで、さらなる成長を図っていきます。

新規分野では、アイティアクセスの電子マネー決済システムやレグラスによる人工知能(AI)を活用した画像処理システムのように、新しい芽がいくつか出てきています。まだ先行投資の段階ですが、今後3年以上をかけ育てたいと考えています。また、財務戦略では2018年2月に発表した資本政策に関する基本方針を踏襲し、ROE8%超の実現を目指します。

株主や投資家の皆様へのメッセージをお願いします。

急速な環境変化の中、スピーディーに対応できる体制を整え、持続的な成長を目指します。

「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残るのは変化できる者である」とは進化論を唱えたダーウィンの言葉とされていますが、企業も生き残るためには環境変化に適応して変化していかなければなりません。

事業環境は急速に変化しており、しかも、その方向性については数えきれないほど多くのシナリオが想定されます。未来を正しく先読みして来るべき変化に事前に備えることは難しく、企業には想定外の事態にもスピーディーに適応できる柔軟性が求められます。当社グループでは、市場の変化にいち早く対応し、多様なニーズに応えていくため、さまざまな施策の実行とともに従業員の意識改革にも取り組んでいます。

新中期経営計画では、「利益成長に伴う企業価値の拡大」を目指していきますので、株主の皆様には、引き続きのご支援、ご協力をよろしくお願い申し上げます。

2019年6月

代表取締役社長小野 敏彦