当期の経営環境や業績について
2024年度(2025年3月期)の日本経済は、雇用・所得環境の改善による個人消費の持ち直しや好調な企業業績を背景に設備投資の拡大がみられるなど緩やかに回復しました。一方で、継続的な物価上昇や急激な為替変動の影響が懸念されるほか、地政学的リスクや中国経済の回復遅れなど、先行きは依然として不透明な状況が続いています。
こうしたなか、イノテックグループの当期の業績は、半導体設計関連事業およびシステム・サービス事業が堅調に推移したものの、テストソリューション事業は低迷が続きました。
これらの結果、売上高419億77百万円(前期比1.5%増)、営業利益18億87百万円(同23.7%減)、経常利益17億54百万円(同39.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益12億円(同18.8%減)となりました。
2025年度の業績見込みについて
2025年度(2026年3月期)は、賃上げ等による所得環境の改善やデジタル化・脱炭素を背景とした設備投資の拡大などにより経済の緩やかな回復が見込まれます。一方、物価上昇や資源価格の高止まり、地政学的リスクや米国の通商政策動向など、依然として予断を許さない状況が予想されます。
当社グループにおいては、テストソリューション事業は、メモリー向けテスターの需要回復には未だ時間を要するものの、海外向け新製品の販売伸長が期待されます。システム・サービス事業は、社会インフラ・防衛向け製品の需要が引き続き高いことに加え、産業機械向け製品の回復により好調が継続するものと見込まれます。半導体設計関連事業においては既存顧客との関係強化に加え、システム協調解析ソリューションや受託開発などの新たな付加価値提案に注力し、増収増益を目指します。
株主の皆様には引き続きご支援とご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。
2025年6月
代表取締役 社長執行役員大塚 信行