製品チュートリアル
【PSpice連載③】スモーク解析で信頼性の高い回路設計を実現
SPICEシミュレータ類は、回路シミュレーションを得意としています。しかし”回路をダメにしそうな”
コンポーネントを見つけ出すとなると、十分な機能を備えていません。
PSpice スモーク解析(Smoke Analysis)を使用すれば、ストレスの大きいコンポーネントを簡単に見つけ
出すことができ、より信頼性の高い回路をデザインできます。このツールは、回路全体を見渡し、すべて
のコンポーネントごとの電流、電圧、パワー、温度条件を判定します。
※今回ご紹介する機能は「OrCAD PSpice® DesignerまたはOrCAD PSpice® Designer Plus」のライセンスで
ご利用いただけます。
※この連載のシリーズ1回目からご覧になりたい方は、 こちら からご一読ください。
それでは、なぜあなたの回路にスモーク解析を行うのか、なぜ重要なのか、を学んでいきましょう。
スモーク解析の重要性
スモーク解析が正確に解析する
- 各コンポーネントの消費電力
- ジャンクション温度
- 最大許容電流
- デバイス端子間のブレークダウン電圧
- 二次ブレークダウン・リミット
スモーク解析は、デザイン内のすべてのコンポーネントのPeak、RMS、Average Valuesを計算します。
では、スモーク解析の実行フローを見てみましょう。
スモーク解析実行フロー
スモーク解析用に回路を下図のようにセットアップします。
スモーク解析 回路セットアップ
図1は、この連載シリーズの1回目(感度解析)と2回目(オプティマイザ)で使用したRMアンプ回路です。
R4とR6の値は、2回目でゲットしたオプティマイズ後の値に更新されています。
スモーク解析実行結果の出力ウィンドウは、図2(下図)のようになります。
スモーク解析環境
図2をご覧ください。トランジスタ Q1-2N5179 のピークVCE値に対する赤色のバーが表示されており、許容動作
リミットを超えていることを示しています。デザインした回路の将来故障しそうなコンポーネントを特定できた
ので、ここでの選択はコンポーネントを別のものに置き換えるか、デザインそのものをコンポーネントに合わせ
るか、となります。
では、2N5179 トランジスタの代わりに、2N4427 トランジスタを使うという選択にしましょう。
回路の変更
回路の変更がすんだら、もう一度スモーク解析を実行します。結果は次の図(図4)のように表示されます。
新しいスモーク解析の結果
新しいスモーク解析結果では、新しいトランジスタ 2N4427 を含む、すべてのコンポーネントが安全な動作
リミット内にあることがわかります。
PSpiceスモーク解析を活用することで、製品が故障する可能性を排除し、製品の信頼性を保つことができます。
信頼性の高い回路を設計したいなら、PSpiceでスモーク解析を活用しましょう。
・本コンテンツはバージョン「OrCAD R22.1-2022 S008」の情報をもとに作成していますが製品構成・機能につきまして、
予告なく変更する場合があります。
*OrCAD PSpice® Designer、OrCAD PSpice® Designer Plus のご紹介は、こちら からご覧いただけます。
ご紹介した高度解析機能(Advanced Analysis)は、OrCAD Free Trial Licenseでもご利用いただけます。
ぜひ、OrCAD® PSpice Designer Plus をお試しください。
<本コラムの関連シリーズ>
【PSpice連載①】LTspice®にはないPSpice感度解析で回路のパフォーマンスを高めよう!
【PSpice連載②】PSpiceのオプティマイザ機能を使って回路の最適化
【PSpice連載④】LTspice®にはできないPSpiceだけのモンテカルロ解析で回路製造の歩留まりを改善
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