製品チュートリアル
【PSpice連載①】LTspice®にはないPSpice感度解析で回路のパフォーマンスを高めよう!
今日の複雑化した電子回路に対処するために、回路設計者が備えるべきあらゆる技術手法について、
さまざまな回路を理解するのに役立つOrCAD PSpice® Designer、OrCAD PSpice® Designer Plus の
エンジンについて説明いたします。
PSpice関連コンテンツとして4回の連載で、フロントローディング、設計コストの削減、設計の
信頼性向上などPSpiceの優位性 をご紹介いたします。
シリーズ1回目の本記事では、1個のRFアンプ回路を例として用います。ご紹介する高度な解析機能は、
他のどのような回路にも使用できます。※
※今回ご紹介する機能は「OrCAD PSpice® Designer Plus」のライセンスでご利用いただけます。
PSpiceでRFアンプ回路の感度解析を実行
大学などの教育課程では、電子回路のことは、すべて書物から学ぶことができます。設計上で欠かせ
ない部品ライブラリがどれか、とっくに分かっています。しかし、会社に入れば話は違ってきます。
独自に構築するにしろ、偶然出くわすにし、まったく新しいデザインがあり、最高のパフォーマンスを
発揮する回路を完成させるためにどのコンポーネントが必要なのかを認識する必要があります。
OrCAD PSpiceの感度解析(Sensitivity Analysis)は、指定された許容差を守りながら、回路のそれぞれの
コンポーネントにセットされるパラメータ値の変化に合わせ、回路性能のシミュレーションを行います。
結果として、デザイン上のコンポーネントの重要度順序リストが出力されます。達成目標のパフォーマ
ンスにとって重要度の低いコンポーネントの許容差を緩めれば、より低価格の部品を購入することで
すみます。結果、コストの最適化に有効ということです。
回路設計者が、回路のデザインで感度解析を行う理由を見てみましょう。
感度解析の重要性

RFアンプ回路(RF AMPULIFIER)の例が下図の図1です。
感度解析をこの例で実行し、出力された結果を理解しましょう。

RF回路の種類にかかわらず設定するメイン・パラメータ群:
・バンド幅
・Gain
・O/P ノイズ・レベル
・I/P ノイズ・レベル
では、実行のフローを見てみましょう。
感度解析の実行フロー

感度解析 回路のセットアップ例

感度解析機能は、セットされた許容値に基づいて各コンポーネントの値を変化させ、これらのコンポーネントが
どの程度、測定目標に影響するか教示してくれます。図2の回路では、全キャパシタとレジスタに10%の許容差
(TOLERANCE)値をアサインしています。
では、この回路を使って、感度解析を実行し、この解析ツールの働きを見てみましょう。
図3のような解析結果の出力ウィンドウが表示されます。

目標測定値への影響度の大きい順にコンポーネントがリストされています。図3のとおり、影響度が最も大きい
コンポーネントは、リストのトップにあります。バンド幅を最も優先順位の高い目標にしたところ、最も重要
なのはR4のコンポーネントの値だということがわかりました。
OrCAD PSpiceの感度解析機能は、セットされた目標設定値に基づいて、デザインの全てのキー・コンポーネント
を検出しました。
検出された全てのキー・コンポーネント

さて、このデザインのキー・コンポーネントを特定できたところで、今度は回路サンプルにあるバンド幅、Gain、
出力レベルノイズ、ノイズ指数(NF)の目標値をセットし、オプティマイザに作業を任せましょう!
例えば、Gain > 9dB、バンド幅 > 200 MHz などを目標設定値にしましょう。
・出典: Know How Your Circuit Works!- Using Sensitivity Analysis In PSpice Author-Ronak Shah Date-04/10/2018
・本コンテンツはバージョン「OrCAD R22.1-2022 S008」の情報をもとに作成していますが製品構成・機能につきまして、
予告なく変更する場合があります。
*OrCAD PSpice® Designer、OrCAD PSpice® Designer Plus のご紹介は、こちら からご覧いただけます。
ご紹介した高度解析機能(Advanced Analysis)は、OrCAD Free Trial Licenseでもご利用いただけます。
ぜひ、OrCAD® PSpice Designer Plus をお試しください。

<本コラムの関連シリーズ>
【PSpice連載②】PSpiceのオプティマイザ機能を使って回路の最適化
【PSpice連載③】スモーク解析で信頼性の高い回路設計を実現
【PSpice連載④】LTspice®にはできないPSpiceだけのモンテカルロ解析で回路製造の歩留まりを改善
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