製品チュートリアル
部品ライブラリ管理は「OrCAD Capture CIS」
<1>OrCAD® Captureでの課題
OrCAD Captureで、複数の設計者がたくさんの部品シンボルのすべての部品情報を、常に正しく維持・管理するというのは、なかなか大変な作業です。
部品シンボルの属性情報を編集するには、各部品のシンボルを一つ一つ開いて、それぞれの属性情報を編集する必要があります。しかも、せっかくライブラリの部品情報を最新の状態に更新していたとしても、回路図上に配置した部品の情報は、回路設計者が自由に編集することもできます。
また、部品の価格情報、購入ルート、購入単位の変更など、各部品の情報についても、タイムリーに情報を更新するのは至難の業です。設計者の数や部品シンボルの数が増えれば増えるほど、部品シンボルの属性情報を一つ一つ正しく管理するのは、現実的ではなくなります。
このような部品情報に関わる問題を解決するために誕生したのが、「OrCAD Capture(R) CIS」です。
本記事では”OrCAD Capture CIS”と”導入メリット”についてご紹介します。
<2>OrCAD® Capture CISとは
OrCAD Captureの機能に加え、『様々な部品情報が”一元管理”された部品情報データベースから、パーツを選択
して配置できる』回路図エントリーツールです。
主な機能は、以下のとおりです。
- ●部品データベースとの連携
Microsoft社のODBCドライバーで繋がるデータベースとOrCAD Capture CISが連携し、データベース内で管理している部品情報(スペック、生産中止情報、在庫、価格 etc)からライブラリの検索・回路図への配置をすることができます。 - ●仕向け管理
仕向け毎に部品表、回路図(実装・未実装/代替部品など)を管理することができます。
既にOrCAD Capture を所有しているお客様は、ライセンスオプションのみを追加導入いただくか、アップグレード
(有償対応)することで使用可能となります。
*OrCAD Capture CISの機能詳細は こちら をご参照ください。

[OrCAD Capture CIS上から部品データベースの情報を“CIS Explorer”で確認]

<3>OrCAD Capture CISの導入メリット
導入メリット①
データベースによる使用部品管理の一元化
OrCAD Capture では、ライブラリ名(型名)からシンボルを選択
- ●生産管理システムの情報とライブラリが別管理のため、データに不整合が生じる可能性
- ●部品選定がローカルで完結するため、使用禁止部品を使って設計してしまう

導入メリット②
クエリ検索による部品選定・再利用の効率化
OrCAD Capture では、ローカルの部品のライブラリからシンボルを選択
- ●欲しい定数の部品に簡単に探せない
- ●使用実績の有無の確認が煩雑(部品の二重登録の可能性)

導入メリット③
一元管理されたデータベースから簡単に部品表の作成が可能
OrCAD Captureでは、各ライブラリにマニュアルでプロパティを追加
- ・入力したプロパティ情報の一元化ができない(入力ミスの発生)
- ・各部品手配先への部品表を個別に作成しなければならない

<4>まとめ

OrCAD Capture 単体では、パーツのシンボル、それぞれに対して部品情報を入力します。
この情報は、在庫や価格の情報が含まれる資材のデータベースとば別管理となってしまうため、最新のデータと
不整合が生じる可能性があります。
例として、既にメーカーで製造中止となった部品など、部品情報が適切にアップデートされていなかったために
設計者がそれを知らずに採用してしまった。などということもありえます。
また、OrCAD Capture 単体の場合は、部品シンボルの名前で部品を選択するので、欲しい定数、または定格の
部品が簡単に探せない場合があります。
結果として「とりあえず形さえ合っていれば・・・」と同じ種類の部品を配置して、とりあえず定数だけを編集
しておく。といったことも起こりがちです。
さらに「シンボルの名前」しか手がかりがありませんので、他の設計者が以前作成した実績のあるパーツシンボル
があったにもかかわらず、それを探し出せずに、新たに二重にシンボルを登録してしまうなどということも起こり
えます。

OrCAD Capture CISを使用した場合、『データベースによる部品の一元管理』ができます。
部品情報が一元管理されたデータベースから部品を選択して使用しますので、常に最新の部品情報で設計を進める
ことが可能です。もちろん、資材情報データベースに直接接続できない場合でも、部品の情報はデータベースで
一括管理することになりますので、パーツシンボルを一つ一つ編集しなくても部品情報を最新の状態に保つことが
容易になります。
また、OrCAD Capture CISを使用した場合『クエリ検索による部品選定』が可能です。
データベースに登録されている部品情報から、部品の定数、あるいは耐電圧などの定格値に当てはまる部品を、ク
エリ検索することができます。
検索結果に表示された部品リストから、更にメーカー名、価格、在庫情報などを、設計者が確認しながら、部品を
配置していくことができますので、部品設定作業を常に効率よく行うことが可能になります。
さらに、OrCAD Capture CISを使用した場合、『仕向け管理』ができます。
回路図を1つ完成させたあとに、Parts Managerを使って、実装/未実装/代替部品の情報を管理・変更することができ、回路図を複数作成することなく、BOM(部品表情報)のみで仕向けの設定が可能となります。
これにより、EOLなどで部品の変更をする場合にも、仕向け毎に回路図を修正することなく、1つの回路図を修正
するだけで仕向け管理されたすべての回路図の変更が可能になるため、多くの作業・管理の工数を削減します。
OrCAD Capture CISでは、設計以外にかかるライブラリ検索・部品表作成などの時間を短縮し、共有化・自動化に
より手作業によるミスの削減ができるのです!
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