中期経営計画

トップインタビュー 代表取締役社長 大塚信行

2025年度の業績と今後の市場環境について

テストソリューション事業の業績が改善し、連結営業利益で大幅増益を達成。引き続き安定成長を見込んでいます。

2025年度は、テストソリューション事業が大幅に改善したことに加え、半導体設計関連事業も堅調に推移した結果、連結営業利益は大幅増益を達成しました。

各事業の状況につきましては、テストソリューション事業において、過去2年ほど停滞していた国内半導体メモリー市場で投資回復の兆しが見え始めています。海外向け製品販売も引き続き堅調に推移する見込みであり、2026年度はさらなる需要増が期待できる環境が整っています。システム・サービス事業においては、グループのエンジニアリング力を活かしたCPUボードやBOX 型PCなどの組込みシステムが、社会インフラ分野や防衛・船舶向けで伸長しました。半導体設計関連事業においても、既存のお客様だけでなく新規のお客様との契約が順調に進捗したことなどにより堅調に推移しました。また、前期に実施したSTAr Technologiesにおける一部事業の譲渡につきましても、収益性の改善に寄与したものと捉えています。

中期経営計画の進捗について

M&Aを活用して成長市場における中核技術の獲得を進めるとともに、グループシナジーを発揮し、企業価値向上を加速させています。

2026年度を最終年度とする中期経営計画では、ROE10%、ROIC8%の達成を目標に掲げ、「営業利益率の向上」「経営資源の再分配による事業ポートフォリオの最適化」「業績の安定性向上」の3つを重点テーマとし、各施策を推進しています。

まず、事業ポートフォリオの最適化については、前述のとおり一部事業の譲渡などを通じて着実に進展しています。加えて、成長市場における中核技術を有する企業や、当社グループとのシナジーや将来的な拡張性が見込める企業とのM&Aも積極的に展開しております。2026年3月には、光通信など高速アナログICに強みを持つファイ・マイクロテックを子会社化しました。同社が有するシリコンフォトニクスや光電融合技術は、データを光で伝送することにより、消費電力を抑えつつ高速通信を実現する技術であり、AIの普及に伴い幅広い場面での活用が期待されています。今後は、当社および三栄ハイテックス、モーデックといったグループ各社との連携・協創を通じて、新たな製品やサービスの創出も目指しています。グループ各社の技術や知見を掛け合わせることでお客様のニーズに応え、企業価値の向上に繋げていきます。

次に、業績の安定性向上に向けて当社は、NAND市況の影響を受けやすい従来の収益構造からの脱却を図っています。具体的には、CMOSイメージセンサーやDRAM 領域でのテスター開発を推進しているほか、IP販売などのストック型ビジネスの拡大を進め、収益基盤の安全性強化に取り組んでいます。

キャピタルアロケーションについて

固定資産の売却で得た資金を成長投資と株主還元に活用します。

2026年3月に本社ビルを売却しました。当社は自社製品比率が高い一方で、EMS(製造受託)を活用したファブレス・メーカーであるため、大規模な設備投資を必要としない事業構造となっております。そのため、固定資産の売却によって得られた資金につきましては、研究開発やM&Aを中心とした成長投資に活用するとともに、株主還元とのバランスにも配慮し、ROEを意識した株主価値向上を図っていきます。

M&Aにつきましては、グループ全体の事業ポートフォリオの最適化を前提に、成長市場において当社が獲得すべき技術であるかを慎重に見極めたうえで、企業価値向上に資する企業を対象に積極的に投資したいと考えています。

また、配当政策につきましては、従来どおり通常の利益に対しては連結配当性向30%を下回らないこととし、急激な業績変動がなければ50% 程度を目安としています。なお、今回の本社ビル売却による特別利益の計上を踏まえ、特別配当の実施および自社株式の取得を決議いたしました。

持続的な企業成長に向けて

中期経営計画の目標達成は射程圏内。中長期的な成長基盤の構築に一層注力していきます。

テストソリューション事業の好調が続き、半導体設計関連事業およびシステム・サービス事業も堅調に推移する見通しであることから、中期経営計画で掲げているROE10%、ROIC8%の目標は十分に達成可能だと認識しています。今後も中期経営計画の事業戦略を引き続き推進し、中長期的に安定した成長基盤・収益基盤の構築を目指していきます。

現在の市場環境は、AI の普及を背景としたデータセンター関連需要が市場を牽引している一方で、自動車業界の動向や中東情勢など、依然として不透明な要素も存在します。このような環境において、当社グループはテストソリューション、半導体設計、システム・サービスの各セグメントの成長を着実に進め、特定の業界やお客様の動向に左右されにくい強固な経営基盤の構築を加速させていきます。

引き続き、持続的な企業価値の向上に取り組んでまいりますので、今後のさらなる成長にご期待ください。

2026年6月

代表取締役 社長執行役員大塚 信行