皆さんは「シリコンアイランド」って聞いたことありますか?
実はこれ、かつての九州を指す愛称です。
そう、九州は日本の半導体産業をリードする存在だったんです。
そんな九州が、今また注目を集めています。2024年に開かれる半導体産業展は、その象徴とも言えるでしょう。
私は1991年に最初に入った会社が半導体商社だったので、そこからずっと半導体に近い業界で働き続けています。
昔は知り合いに「どんな会社で働いているの?」と聞かれると「半導体って知ってる?」から始めて「それって何?」という流れが鉄板でしたが、コロナ禍を経てほぼ毎日のように株式市場や安全保障などのニュースで「半導体」という言葉が使われるようになり、一般の方も「それって何?」はかなり減ってきていると実感しています。
社会人になった頃は、まだ日本が半導体市場で高いシェアを持っていて九州はそんな日本メーカの工場がたくさんあって、日系の半導体メーカの代理店はよく研修で九州に行っていたことを覚えています。(もちろん皆さん中州を満喫してました)
あれから30年以上が過ぎ、九州にはいまや世界No.1のファウンダリー会社である台湾のTSMCが誘致され、子会社であるJASMの工場が稼働し始めています。
でも、なぜ今なのでしょうか?それには、世界の今を知る必要がありそうです。
まず、地図を見てみましょう。九州って、アジアのど真ん中にあるんですよね。
お隣の韓国や、ちょっと南の台湾、そして中国。これらの国々は今や半導体大国。
そんな国々と手を組むには、九州はうってつけの場所なんです。
さらに、世界情勢も九州に追い風です。
最近、「経済安全保障」という言葉をよく耳にしませんか?簡単に言えば、重要な産業は自国で作れるようにしておこう、という考え方です。
半導体はまさにその代表格。日本政府も、国内での半導体生産を強化したいと考えています。
そこで白羽の矢が立ったのが、九州なんです。
でも、場所がいいだけじゃありません。
九州には半導体作りのDNAが脈々と受け継がれています。
ソニーやルネサスといった大手企業の工場があり、腕利きの技術者がたくさんいて、九州大学や熊本大学では、最先端の研究が日々行われています。
水も豊富だし、電気も安定して供給できる。
半導体づくりに欠かせないこれらの条件も、九州はバッチリなんです。
もちろん、課題もあります。
世界との競争は激しいですし、環境に優しい製造方法を考えなければいけません。
それに、次の世代の技術者を育てることも大切です。
とても裾野の広い産業なので長い視野での取り組みが続いていくことで、日本で再び半導体産業が根付くことを期待しています。
今、世界は大きく変わろうとしています。技術の進歩はもちろん、国と国との関係も変化しています。
そんな中で、九州が再び「シリコンアイランド」として輝けるか。
それは、日本の未来にとっても大切な挑戦と言えるでしょう。
この第1回目の九州半導体産業展にわたしたちも参加いたします。
INNINGS製品も半導体の製造装置などに採用をいただいており、微力ではございますが半導体産業の発展に寄与しています。
展示では組込み向けのCPUボードや産業用PCを始めとした製品のご紹介とエッジAI顔認証SDKをお披露目いたします。
九州で再び芽吹こうとしている半導体産業の胎動を感じることができる良い機会ですので、ぜひ皆さんも展示会にお越しください。
来場予約は下記URLよりどうぞ。
では現地のイノテック社ブースでお会いしましょう!